【茅ヶ崎市立香川小学校様】COCOO(コクー活用事例):働き方改革の先にある「真の教育」の実現に向けて
茅ヶ崎市立香川小学校は、児童数約893名、教職員約77名を擁する、市内でも有数の大規模校です。
COCOOの導入は、この大所帯の学校現場に、劇的な変化をもたらしました。本記事では、大規模校が直面していた課題をいかに解決し、真の「働き方改革」を実現したのか、その軌跡を追います。
【ご訪問学校】
学校名:茅ヶ崎市立香川小学校
児童数:約893人(2025年11月現在)
教職員数:約77人(2025年11月現在)
お話を伺った 今井先生
1. 導入前の深刻な課題:コロナ禍で電話が鳴り止まない朝
COCOO導入以前、学校の朝は常に混乱状態でした。コロナ禍以前の連絡帳での運用が難しくなったことで、欠席連絡の電話が職員室に殺到。
特に感染症が流行する時期や台風などの緊急時には回線がパンクし、保護者から学校に連絡がつかないという事態も発生していました。教員は朝の貴重な時間を電話対応に拘束され、授業準備や教室で子どもたちと向き合う「ゆとり」を失っていました。
2.導入効果①:教員の「ゆとり」と授業準備時間の創出
導入後、現場にもたらされた変化は明白でした。朝の職員室から電話の音が消え、教員は電話対応の拘束から解放されました。これにより、削減された時間を授業の準備や、登校した子どもたちの様子を観察する時間に充てられるようになり、教員の心の「ゆとり」が劇的に回復しました。
また、欠席情報がデータ化されたことで、保健室への情報伝達や校務支援システムへの入力といった、従来の煩雑な作業も効率化。情報共有のスピードが格段に向上しました。
3.導入効果②:情報共有による「チーム学校」体制の確立
COCOOの最大のメリットは、情報の「見える化」を通じた学校全体の連携強化です。
全校の欠席状況がリアルタイムで一覧できるようになったことで、感染症の流行の兆候を早期に察知することが可能になりました。
さらに重要なのは、不登校傾向のある児童や長期欠席の児童に関する機微な情報が、担任だけでなく全職員に共有されるようになった点です。これにより、過去の欠席履歴も確認しながら、担任任せではないチーム全体での早期支援体制が確立されました。大規模校の課題であった情報共有の壁を打ち破り、組織的な対応力を高めています。
4. 積極的な活用:個別連絡と緊急時の迅速対応
香川小学校では、欠席連絡にとどまらずCOCOOを多角的に活用しています。学校だよりや学級通信の配信はもちろん、担任による保護者への個別連絡(学級通信に載せられない情報や、不登校児童への連絡など)を積極的に行うことで、きめ細やかな連携を維持。
また、修学旅行の遅延や、地域の不審者情報(猿の出没など)といった緊急性の高い情報も、迅速かつ確実に保護者へ発信できるホットラインとして機能しています。
5.今後の展望:デジタル利便性と人間関係のバランス
デジタル化は教員の働き方を大きく改善しましたが、学校は新たな課題にも直面しています。それは、システムを通じた簡潔なやり取りが増えることによる、保護者との関係性の希薄化です。デリケートな相談などの際は、文面だけでは伝わりきらない部分が多く、電話や対面でのフォローが不可欠です。
香川小学校では、今後もCOCOOの利便性を最大限に享受しつつも、必要に応じてアナログな対話に時間を活用し、適切な使い分けにより、効率性と人間的な温かさの両立を目指していきます。
6.まとめ:働き方改革の先にある「真の教育」の実現
香川小学校がCOCOOによって手にしたのは、単なる業務効率化に留まらない、「チームとしての対応力」と「心のゆとり」でした。
大規模校特有の課題であった情報共有の壁を打ち破り、データを活用した早期支援体制を確立。今後もデジタルツールの利便性を最大限に活かしつつ、アナログな対話の温かさを大切にする同校の取り組みは、「働き方改革」と「真の教育実現」を目指す全国の学校にとって、参考になるのではないでしょうか。
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