【横浜市立高田中学校(前編)】先生と家庭がつながる、双方向のコミュニケーションに価値を見出す
民間企業出身(日本IBM)の校長として2019年4月、高田中学校に着任した横田校長。積極的なICT活用、一般企業とのコラボ授業など、社会とつながる取り組みを多数実施されています。そんな中でCOCOOをどのように活用されているのか、今回は横田校長、熊谷副校長、辻田先生の3名にお話をお伺いしました。
横浜市立高田中学校:生徒数約300名、学級数12(2020年4月現在)
横田由美子 校長
熊谷博文 副校長
辻田祐二 先生(学年主任・野球部顧問)
「コロナ禍でも本格稼働をスタートしたのは大正解でした」
・横田由美子 校長
ーーーCOCOOを導入した経緯をお聞かせいただけますか。
元々、高田中学校へ校長として着任する前から、COCOOの評判は耳にしていました。自分も働きながらの子育てで学校への連絡には苦労してきましたので、とてもいいなあと思っていたんですね。
2019年度に横浜市でCOCOOを使った実証実験がありましたが、着任した時には既に実施校が決まってしまっていました。しかしPTAの方に少し聞いてみたところ、ぜひ欲しい!という声もあり、絶対に保護者の方にも喜ばれると思って、改めてじゃあ、学校独自でやろうと決めて。
当時の副校長と一緒に説明を受けて、次は教務主任や専任などにも見てもらう場を作って、委員会にも学校独自での試行への了承を得て、と、段階をふんで進めていきました。それが昨年の夏です。
ーーーそこからすぐに使用開始したのでしょうか。
導入を決めても、学校は1年単位で動いていることが多いので、やっぱりタイミングがあるんですよね。次年度の4月から本格稼働を目指しました。 COCOOの方に相談したところ、少し早めにセッティングをしていただけるということで、 最初は私と副校長だけで触ってみて、年度末の春休み期間に全教職員への説明会をすることにしました。結局、着任から1年間かけて理解を得ていった感じです。
ーーーコロナの時期と重なりましたが、使い始めはスムーズにいきましたか。
4月から本格稼働の予定だったんですが、コロナで3月から学校が休みになったので、まずは休校期間中、在宅勤務をすることになった先生方への連絡にCOCOOを大活躍させてもらったんですね。
休校期間中は朝からzoomでミーティングをしていました。学校あてには教育委員会などから通達のメールが結構くるんですが、学校用のメールシステムは今はまだリモートからはアクセスできないんです。管理職は出勤していましたので、それを添付ファイルにしてCOCOOで送ったり、届いたか確認したり。
一方通行のメール配信システムと違ってCOCOOは双方向なので、会えない先生方も孤独感がなく、つながり続けられるようにと思ってました。
先生方は在宅ではなく、学校に来て働く方が慣れているしストレスは低いとは思いました。でもやはり感染の可能性を考えると危険ですし、在宅で仕事ができるようにこちらから情報を送って。パソコンがない先生には貸し出して、そこでCOCOOにも慣れていったという感じですね。
ーーー昨年度から一緒に準備を進めてきた副校長がこの4月に変わられたと聞きましたが、 色々と大変な中で引き継ぎはうまくいったのでしょうか。
はい、新しく来られた熊谷副校長はキャッチアップの早い方なので、大丈夫でした。最初は私が色々とやっていたんですが、休校期間中にはもう、COCOOが日課のヘビーユーザーになってくれて。「休校中も家庭とつながり続けよう」という話をよくしていたので、学校からの連絡を送らないと1日が終わらない、という感じだったみたいです(笑)。
ーーーちなみに休校期間中、授業はオンラインで実施を?
いえ、オンライン授業まではできなかったんですが、先生方も慣れてきたら色々と考えてくれて。自宅にいる子どもたちとzoomで生徒会やホームルームをやってみたりしました。
登校が始まっても三密を避けるために、クラスを半分ずつにした分散登校だったため、同じクラスでも全員の顔と名前がわからないんですよね。そこで、半分ずつ2教室に分かれてzoomで繋いで自己紹介しあうこともやってみました。
最初はやはり先生方にも戸惑いはありましたけど、それぞれ勉強してくれて。これはいいなと思うと、どんどん子どもたちのためにやっていってくれる。力のある人たちばかりです。朝は会議でzoomも使っていましたし、COCOOとか今はもうプロみたいな感じでスイスイ。 COCOOを知らないなんて高田の人間じゃない、くらいの(笑)。
ーーー保護者に対してCOCOOの説明会はできなかったと思いますが、問題はなかったでしょうか。
登録方法などは案内を配るだけで心配だったんですが、他の学校もそれで大丈夫だったから、とCOCOOの方に勇気づけてもらって。実際に大丈夫でしたね。入学式と始業式をしたらまた休校で子ども達の登校がなく、最初は欠席連絡などを使う機会がなかったんです。でも、日々の連絡をCOCOOでお送りしていました。
ーーーそれまで他のメール配信システムは使っていたんですか?
はい。2ヶ月ほどは安全策をとってCOCOOとそれまでのメール配信システムの両方で送りました。今はCOCOOだけに完全移行済みです。これまでのメール配信システムは送るだけの一方向。COCOOは双方向。何が違うかというと、COCOOだと家庭から回答がもらえる。アンケートが取れるんです。
例えば休校期間中に、家庭科でぬいぐるみを作るための教材について色の希望を聞いたりとか、技術科で育てる植物について、レタスがいいかミントがいいかなどの希望を聞いて、その集計結果を元に必要な数量を発注したり。学校再開後の教科学習に向けた準備がスムーズにできました。
ーーー業者さんへの発注に活用を!その後、学校が始まってからはいかがでしょう。
登校が始まり、出欠の確認にも使い始めました。職員室に大画面を設置してあるので、先生方は朝出勤したらその画面か、各自のパソコンで確認して。今は、部活動の顧問が自ら発信するのにも使っています。例えば土日の練習で急に変更があった時の緊急連絡を送ったりとか。だからもう今は、COCOOはすごく市民権を得ています。
ーーー横田校長の中では、計画通りに導入を実現できたという思いはありますか。
着任当初は、こんなにいいものなんだからすぐに導入できるだろうと思っていたんですが、学校のスピード感というのがあって、1年温めることになりました。それでもこの4月、休校期間中に導入できたのはすごく良かったなと本当に思います。双方向でつながれるというのが。
ーーーパナソニック教育財団のICT活用の実践研究助成に、このCOCOOを使った働き方改革の推進をテーマに応募され、選ばれていますよね。
前もって予算化されていなかった案件なので、お金をどこから捻出しようかと考えて。もし選ばれなかったら、なんとか別の方法を探し続けていたと思います。 クラウドファンディングとかもあると思ったんですけど、さすがにすぐには無理でしょうし、でもPTAや地域とも協力できる形で、いずれは目指したいと思っています。
ーーーCOCOOの導入後、次のステップは何か考えていらっしゃいますか。
「次のステップ」とは少しずれるかもしれませんが……ざっくりと、まずは3年計画で考え、1年目は何もできないとしてまず状況把握、2年目でチャレンジ、3年目はそこからいいものを見つけて、磨いて持続化へつなげていければ良いなと考えています。
後編では、熊谷副校長と辻田先生のお話をご紹介します!
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